”NO!(ダメ!)” を言えますか?

自分の子供が、身体に危険が及ぶことをしてたら勿論注意をするでしょうが、いずれ親元を離れ、社会に出て行く子供たちが困る行動をしていた時、”ダメ!” と注意をしてるのだろうか。

と思う子連れの家族を日本で時々見かけたし、アメリカでも見かけます。
話がずれそうなので、軌道を戻し・・・。

私が書こうと思ったのは、人間の事でなく犬と人間の話です😅

アメリカでは、犬のトレーニングは、「正の強化のみドッグトレーニング(Positive Reinforcement ONLY dog training)」

正の強化のみトレーナーで名が知れている
ザック・ジョージ

はたまたそれに「正の罰(Positive Punishment)」も取り入れる「バランス型ドッグトレーニング(Balanced dog training)又は総合的ドッグトレーニング(All-round dog training)かに大きく分かれているようです。
シーザーミランはじめ、総合的なトレーニングをしてる人は多いですが、その中で、私も会った事があるTom Davisの写真をば・・・。

Tom と愛犬Lakota

”正の強化とか正の罰とかなんのことかわからない!”、と思ってる方の為に簡単に復習させて頂きますが・・・

まず、正と負と言う言い方の意味は、正=プラス=与える 負=マイナス=取り去る、です。「良い」とか」悪い」ではありません。

「正の強化のみドッグトレーニング法」の考え方は、犬が飼い主の望んでいる行動を取った時に報酬(おもちゃ、おやつなど犬が好きな物)を与えます。<正(プラス)の強化>

例えば、

他の犬に吠えた時、「吠えるのをやめろ」のコマンドに従った場合、やめたらおやつをあげて褒めてその行動(吠えるのをやめる)を強化していきます。
犬が苦手なもの、怖がるものは避ける(おやつやおもちゃで誘いながら、又は方向転換)

甘噛みをしてきたり、飛びついたりしてきたりなどのような望まない行動をしてた場合、飼い主はその場から去る、又は無視をします。犬は自分がした行動で飼い主から注目されなかったと学びその望ましくない行動が消えて行くのです<負(マイナス)の罰>

「バランス型ドッグトレーニング又は総合的ドッグトレーニング法」の考え方は、基本は前述と同じ、褒めてトレーニングしますが、大きな違いは、不適切な行為には、Correction(罰・注意を促す)を入れます。これが<正の罰>になります。主にリードによって指示しますが、リモートカラーを使用する場合もあります。

やめればいいのに、数年前に前述のザック・ジョージが、<正の罰>を取り入れたトレーニング法にいちゃもんをつけたもんだから、一部の総合的トレーニング法を行なうトレーナーたちのやり玉にあがりYouTube上で炎上してました😶
Tomやシーザーのように自分の信念に従ってトレーニングをしてる人たちはそう言うものにかかわりたくないと思ってます。

人によって、トレーニング法については意見も違ってくると思うのでいいのですが、ザックや他の「正の強化のみドッグトレーニング法」トレーナーたちの決まり文句は

科学の論理に反しているから

”リモートカラーやプロングを使って叱るやり方をすると犬が委縮して悪い行動が悪化するのを科学で証明している。飼い主との関係も悪化する。”

それじゃぁ、うんちくを述べるだけじゃなくて、「正の強化のみドッグトレーニング法」で、攻撃性が強く出ている犬たちをどうやって早くハッピーな犬にしてあげられるのかデモをして欲しい。

と言うのが、総合的ドッグトレーニング法トレーナーの言い分です。今までそれを証明してくれた<正の強化のみ>トレーナーは、私が知ってる限りいません。

前にも書いた事ありますが、<正の強化のみ>の世界では名の知れたイアン・ダンバー博士を私は師事して、セミナーには欠かさず出席したし、少人数の特別セミナーにも参加、しかも彼が創案した「K9 ゲーム」にも長年参加してました。

小型犬のレイラは、<正の強化>は、よかったです。でも、今思うと、小型犬でもやっぱり総合的ドッグトレーニング法で、やってれば自分のご飯をガードする悪い行動がなくなって、聞き分けいい犬になってたんじゃないかって思います😓

と、本犬は思っとります😄

でも、支配性の強い性格のサトリは、レイラのようにはいきませんでした😓

<正の強化のみ>は、タイミングがとても難しいのです。サトリを例にあげると

吠えていたり、他の犬にチャレンジ的態度を見せた時、名前を呼んでこっちを向いたとしましょう。吠えるのをやめたし、私を見たその時、即おやつをあげる。しかし、サトリはおやつだけ取ると再びその犬に吠えたり、先方から来る犬をガン見して、私の意図は通じてないのは明らかでした😮

犬が自分の行動はいけないことだったんだ・・と感じとり、緊張感をなくして、服従姿勢リラックスな態勢)を見せるまで待ってからおやつをあげなけれはいけなかったのです(フォロースルーをする)

シーザーのTV番組を観るようになってそれを知り、それ以後他の犬仲間(ダンバーさんで知り合った人たちだから当然、ほとんどは<正の強化のみ>のトレーニング)の犬へのアプローチを意識して見てましたが、フォロースルーまでしてる人はいませんでした。だから、犬は同じことを繰り返します。

サトリは、自分が環境をコントロールしたいので、他の犬の行動がすごく気になるタイプでした。でも、【支配性】【攻撃性】とはちょっと違って、サトリはガンガン吠えたり、唸ったりしません。なので、相手の飼い主さんも、サトリに興味を持って、犬と共に近づいてきてくれる方も多く、私は学んだ通り、散歩中、犬をみかけると逃げ回ってたし、犬がいる家の前は避けるようにしてました。

これも、サトリが相手の犬に ”喝!” を入れそうになる前のボディーランゲージに注目して、

と、言うべきだったんです。これが、Correction(罰)<正の罰>
子供にだって悪い事したら注意しますよね。私は、ある程度の年齢までは子供も犬もしつけは同じだと感じています。「罰」は犬をダメにする・・と言うのが”科学に基づく”<正の強化のみ>トレーナーの言い分です。アメリカ獣医動物行動学会(ABSAB)のホームページにも今でもそんな事が書いてあるようですが・・。

家に子犬を迎えたその日から、子犬はいい事と悪い事を学ばなくてはいけません。
勿論、”NO!” と言う言葉を実際に子犬に使うまでにやらなくちゃいけない事はあります。
名前を憶えさせる、家族が誰かを認識させ、信頼出来る人間だと理解させる(犬との良い関係を築く)、リードはこちらの意図を伝える道具であると教える、云々。
でも、ある程度の段階へ行ったら、”NO!” が意味するものを教えなくてはいけません。
悪い事をしたら、その場ですぐに、そして短く
”NO!” 

これは⬇️
 ”NO!”じゃありません。

くどくどだらだら叱らない
これが”科学が証明する” ところの犬を委縮させ、困惑させる原因だと思います。
人間のストレスや怒りを犬に発散させるべきではありません。。

<正の強化のみ>トレーニングをしてきた私が、きっぱり総合的ドッグトレーニング法に移行できたのは、シーザーやTomたちのおかげであります。それを試行錯誤しながらも私たちと暮らす犬たちがストレス少なく(人間も犬も多少のストレスは必要です)ハッピー🎶で生活して欲しいと言う思いからです。そして、こっちの意図を犬に理解出来るように伝えてくれるのです。

サトリは犬同士のコミュニケーションも上手で、家族思いで素晴らしい犬でしたが、最初から総合的なトレーニングしてたら、ポリスドッグの性格も少しは抑えられたかもしれないし、それこそリードをしなくても町でお散歩出来る犬になってたんじゃないか・・・って想像してます。

シャイロ・シェパードが家族として迎えるには最高の犬種だと思ってるのですが、渡米後は、住んでいる環境も変わり、住居ルールも日本とは違うので、サトリとは全く違うタイプの犬種になっています。シェパードとは違う意味の ”ワーキング系犬種” ですが、自分で考えて行動する性質の護畜犬には訓練性は望めません。それでも、基本のトレーニングはやりました。オビディエンスクラスにも通い、それぞれの性格を見ながらトレーニング法・ツールを変えてやってきたおかげで、私の許容範囲で😂いい子たちです。

犬は、大きくても小さくても『動物』です。人間同士のようなつきあいは出来ません。
でも、一度、信頼関係が出来て健全な関係を築いていければ犬たちは、飼い主の”NO!”の意味を理解し、それで信頼関係が崩れるわけがありません。ハッピーゴーラッキーで一生を送れるんです。

参考:正の強化・正の罰・負の強化・負の罰について知りたい方はこちらをクリック


ホームレスで一杯だった公園がきれいになってました。

もう秋です

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