犬のトレーニング(3)バランストレーニング法を使うトレーナーの見解

前回の記事『アメリカ獣医動物行動協会(以下AVSAB)』の表明を知る前から、ここしばらくの間、アメリカの色々なドッグトレーナーのビデオをチェックしてました。

訓練士

 と、言うのも、今まで、シーザー・ミランを否定し批判し, 攻撃的な犬は安楽死、と唱えていたイギリスの正の強化トレーニングのトレーナーたちが、(勿論はっきりと声明はしてませんが、)明らかにシーザーのやり方を取り入れて、「安楽死」と言う言葉をあまり使わなくなったのに気づいたからです。

じゃ、アメリカのトレーナーたちはどうなんだろう・・・と言う好奇心からでもありますが、何人かの(男性ばかりですが) ビデオを見始めたわけです。
そして、その中に今回のAVSABの件に関して意見をYouTubeで流している人たちがいました。

Zak George<正の強化(Positive reinforcement)トレーナー>

Zak George
Zak George
Zakは、正統派正の強化法トレーニングをしていますが、この表明にはちょっと困惑気味です。りっぱな学位を持った科学者や獣医師や動物行動学者がメンバーにいるけれど、この人たちは『犬のプロ』ではないから、理想と現実は違うのを理解していないようだ、と言う意見でした。

21に及ぶ色々な資料が基になっているけれそ、実践の結果がないとも指摘しています。

Zak自身は、正の強化法トレーナーなので、嫌悪感を与えるツールは使わないけれど、E-カラーを使用したトレーニングに犬のストレスが低かった例もあると言っています。アメリカでは法を執行する機関や軍隊での犬のトレーニングは、アバーシブトレーニング(嫌悪条件付け法)でりっぱな結果を出しているのも話しています。 

トレーナーはスキルではなくちゃんと犬を観察できるかどうかが大事で、飼い主は自分と愛犬に合ったトレーニングをしてくれるトレーナーに付くのがベストだと言ってます。

Joel Beckman<バランストレーニング(Balanced training)トレーナー>

Joel Beckman
Joel Beckman
 彼は以前、サンディエゴのシーワールドでイルカ🐬やシャチのトレーニングをしていました。つまり、クリッカートレーニング(正の強化法)ですよね。

もう10年以上犬のトレーニングを専門にやっているそうですが、始めた当初は、
攻撃性のある犬たちに対しても正の強化法で取り組んでいたそうですが、ある日、行き詰ってこれではいけないと色々と調べたそうです、その結果、嫌悪条件付け法も必要だと言う所にたどり着いて、それ以後は、バランストレーニング法を使っています。
今回の表明文に関しては、『アンケートの結果によると』と言う言葉が多く使われているがどこにも、どんな質問をして、どんな回答があったのかには全く触れてないし、法を執行する機関で訓練される犬や、軍用犬のアバーシブトレーニングと普通の家庭犬のアバーシブトレーニングを比べること自体何か違うんじゃないかと思っているそうです。
問題行動を正の強化法トレーニングだけで修正するには、無理があるとはっきり言ってます。
まずは、スキル。そして、修正されるまでに、時間がかかるから、トレーナーに支払うトレーニング料の負担も大きくなるわけです。もっとも、攻撃性のある犬を扱っている正の強化法トレーニングトレーナーはいない、との事でした。

★Robert Cabral<バランストレーニング法(Balanced training)トレーナー>

ロバート・カブラル
Robert Cabral

オビ、プロテクション、問題行動を持つ犬のトレーナーであり、12年以上も、米国内のシェルターの要請があれば、スタッフたちにシェルターに連れて来られた犬の扱い方の指導をしています。みずからも、地元のシェルターに問題行動があって放棄された犬たちのリハビリもやってるそうです。

この3人の中で最もトレーニング経験歴がある人ですが、上記のJoel同様に口調とカメラを見る眼光に確信がうかがえるビデオでした。
数年前から、正の強化法トレーニングだけで、問題行動を持つ犬を救えないと言う事をポッドキャストでも話しています。そして、バランストレーニングを否定するトレーナーたちから非難を浴びせられていたようです。

シェルターに来た犬たちの多くは、トレーナーにお手上げされ、飼い主たちに放棄された犬たちです。
彼は、自分を非難しているトレーナーたちは、一度も自分に会いにも来ないし、コンタクトもして来なかったと言っています。

彼は、犬によって、トレーニングのツールは違ってあるべしだし、他のバランストレーニングトレーナ同様に、正の強化法トレーニングも使っています。


以上が、私が観たアメリカのトレーナーたちの意見でした。

次回の最終回は、私個人の感想と意見で締めたいと思っています。今年中には・・・😄

 

続く 

 

Eliška

 

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