狼再導入の際には『護畜犬』も必要?(2)

狼の再導入の話は、英国・スコットランドにもありました。
自然を愛するすっごいお金持ちが莫大な資金を投入して、かつて英国にもいた狼🐺や熊🐻を再導入し、多くの動物たちが自然の姿のままで暮らしていける土地を準備しようと計画をしているとか・・・。じゃ、英国も護畜犬復活?と思いきや、その人はその土地全てをフェンスで囲う心づもりなのがまたけた外れです。

ヨーロッパには色々な護畜犬種がいます。
沢山いるので、独断と偏見で、私が耳にしたことあったり、見た事のある犬種をピックアップ。

💓参考: http://www.dogbreedslist.info/  
     『Farm Dogs』/Jan Dohner著

コモンドール
Komondor
モップのようなユニークな外見でご存知の方もいるのでは?と思いますが、このハンガリー出身の護畜犬は、なかなかの強者で飼い主は、強いリーダーシップを持って接することは必須です。毛の手入れは見てわかるように大変ですが、狼に襲われても大丈夫なようにこのようなコートをまとってます。前回のブログで紹介したトルコ産の犬種と違って、家畜のそばにいて守るタイプです。しかし、どの護畜犬もその大きさにして敏捷な犬たちです。
いとも簡単にフェンスを乗り越える事も出来るのでご用心を。

クーバス
Kuvasz 

コモンドールと同じ、ハンガリー出身で、コートはウェーブをしています。
AKCの地元のドッグショーにいましたが、遠目からでも目を引きます。オーナーの方も話していましたが、とても家族を守る防衛本能が強く、家に遊びに来た人にもなかなか馴染まないので、娘さんのボーイフレンドは家ではなかなか娘さんのそばへ行く事が出来ず、慣れるまで数ヶ月かかったそうです😓 1度、この犬種を我が家にどうかと考えましたが、そんな話を聞き、うちはゲストも来るし、サトレラパパの生徒さんも来る家なので、やめました😔
つい数日前に、原産国のハンガリーの記事で知りました。この犬種は今、絶滅になるに近い数字までに頭数が減っているそうです。

マレンマ
Maremma Sheepdog
日本で会ったアンナ
自分たちの渡米に伴い、護畜犬をリサーチしていて、白い犬が好みらしい自分の目についたのがこのマレンマ。たまたま、原産国のイタリアから輸入したマレンマを飼っていらっしゃると言う方を知ることが出来、会わせて頂きました。
この犬種も、家畜と一緒にいるタイプで、うちのペーハが働いているヤギの牧場で一緒に暮らしているのがマレンマ。飼い主さんが私たちと一緒の時は、とても人懐っこくて可愛いかったですよ。
ペーハと仲間たち
ピレニアン・マスティフ
Pyrenean Mastiff 
Photo by Milena Mura, Spain
名前は似てますが、フランス産のグレートピレニーズとは全く違う犬種になります。スペイン原産で、元々は、番犬や家庭犬として飼われていましたが、狼がピレネー山脈に戻って来てから家畜を守る護畜犬の役目をするようになりました。フレンドリーで穏やかですが、家畜や家族の危機を感じると防衛モードに入ります。

サル(又はシャル)プラニナッツ 
Sarplaninac
 
マケドニア、ユーゴスラビア原産で、一時は戦争の為、絶滅しかけたけれど、今はアメリカやカナダで有能な護畜犬として多く飼育されている。パトロールをしながら、家畜番をするタイプなので、家庭でペットとして飼うにはかなり努力がいるかもしれませんね。

トルニャック
Tornjak
カスティエルのお父さん
ボスニア・ヘルツェゴヴィナクロアチアを原産国としている古来からの犬種で、ごく最近、FCI(国際畜犬連盟)の公認犬となりました。
護畜犬ですが、ファームドッグ、家庭犬として飼っている人たちも多いです。
まだまだ、アメリカでは頭数が少ないです。家族にはとても愛情深く接しますが、見知らぬ人には人見知りです。でも、1度親しくなると、とてもフレンドリーになります。
1度、この犬種と暮らした人は、次もまたトルニャックを迎えたくなるようです。
同感です😁

ヨーロッパからちょっとアジアの方へ来ると、名前を聞いたこともある方もいらっしゃるかもしれませんね。結構、『怖い犬』のイメージで知られている・・

*チベタンマスチフ
Tibetan Mastiff
注:この犬種は現在、護畜犬としては推奨されません。彼らは護衛犬種であり、適切な社会化なしでは、現代社会では許容できないほど自分の所有物を守るようになる性質を持っているからです(2024年4月更新)

名前の通り、中国はチベット原産。
確かに、性格的には、必要以上に防衛本能が強いので、アメリカのチベタンマスチフ協会ではフルタイム護畜犬として飼われていた犬のリホーム(新しい飼い主を探す)先を探す手伝いはしないそうです。それだけ、真剣に護衛の仕事に没頭すると危険な犬、とでも言えるのでしょうか。 中国の金持ちが一時期、高いお金を出してこの犬を飼うのが流行し、手に負えなくなった犬たちがシェルターに溢れている写真を見た事がありましたが、今はどうなっているのでしょうか・・・😔

まだまだ、色々な護畜犬種はいますが、みんな大型犬、又は『超』がつく大型犬です。
白っぽい犬が多いのは、羊に紛れて保護色になるからと言うのと、狼などの捕食者たちと区別がつきやすいように、と言う配慮から白っぽい犬が多く繁殖されたそうです。
これらの犬種の特徴は、捕食者や侵入者が来た時には、まず吠えて相手にはったりをかけるので、ジャーマン・シェパードやドーベルマンなどの警護犬のように突然飛びついて噛んだりはしません。それでも、引き下がらない相手には勇敢に立ち向かう・・・と言う性質を生まれ持っています。普段は性格も穏やかです。なので、しっかりと社会化やトレーニングをする覚悟であれば、日本の家でも飼えない事はない犬種もありますが、護畜犬の傾向として、夜は結構吠えます。だから、運動も、かなり必要です。

日本にもしも狼🐺が戻ってくる日があるとしたら、この手の犬種は頼もしいかもしれませんね。

あ、そうそう。
マレンマについてネットを調べていたら、あるサイトに当たりました。
タイトルが大型犬のブログ』と言うものですが、写真とか違う犬種が紹介されてますから大型犬に興味があって調べている方は、ご注意のほど。







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