日本における🐺再導入計画(1)

ここオレゴンには色んな野生動物がいます。
コヨーテ、クーガー(ピューマ)、黒熊、オポッサム、リス、鹿、エルク(アメリカアカシカ)、テン、ガラガラヘビ、地リス、地ネズミ、あらいぐま、野ウサギ、スカンク、ヤマアラシ、キツネ、ビーバー、猛禽類その他諸々。
海へ行けば、クジラ、イルカ、アシカやアザラシも。
一時はいなくなった、狼も2012年くらいから戻ってきています。
だから、オレゴンの自然は緑が多くて美しいのかもしれない。夏の山火事がなければもっと山は緑でしょうけれど。それでも、生態系のバランスが取れているのだと思います。

しかし、昔はアメリカの全土にいた狼たちも、ある州では家畜を襲う敵として全滅させられました。🐺がいなくなったところは、鹿やエルクなどの木の皮や葉を食べる有蹄動物が異常に増えて植生に影響が出始めました。
そうしたら、人間は本当に勝手なものでいくつかの州が再導入を試みたわけです。
そこで成功したのがイェローストーン国立公園(ワイオミング州)。
By William C. Campbell - U.S. Fish & Wildlife Service
追跡調査用に電波発信機つきの首輪をつけています
 ご存知の方も多いかと思いますが、狼が戻ってきて、生態系のバランスが戻って来たのです。
ポテトチップで有名になったアイダホ州もです。(イエローストーン国立公園は一部アイダホ州にもなります)

ところが、
先日、ある記事を読みました。
アイダホの政府と狼コントロール理事会が狼を狩る為の予算を$200,000調達したと言うものです。
理由は、
🐺が増えたから・・・・。結果、家畜を襲うようになった、又は、なるから・・・。
家畜のみならず、🐺の主食でもある鹿やエルクまでも殺した狼をハントするらしいです。
家畜を襲った🐺を殺すのは、やむを得ないとして。
🦌やエルクを襲った🐺を殺すってどういう事?🤫
🦌やエルクを殺すのは生きるためです。彼らの主食です。
🦌やエルクを殺さずにどうやって、生きて行けというのでしょうか?🤫
つまり、これは狼狩りの口実で、狼を再度全滅させる方向へ行くのか?🤫
勿論、狼コントロール理事会がしっかり管理してくれると信じていますが。

更に調べていくと、州は、人間のハンターによる鹿とエルクの狩猟はOKになっているのです。
これってあり?
アメリカ人である、サトレラパパにこれについて抗議をし(彼に抗議しても仕方ないのだけど😅)所見を求めたら
「狩りをするためにアイダホに移住する人が多いんだ。」
だそうで、私の身体の中のやかんは煮えたぎって来ました🤬
調べてみると、狼のみならず、確かに他の動物たちも殺されてます。

決して『狩り』を否定しているのではなく、

その『狩り』の目的がなんなのか・・・。

リサーチしていくうちに、再導入後どのように対応しているのかも見えてきました。
日本でも、かなり前から狼の再導入の話が出ているのは知ってました。
🦌や🐗や🐵などの『害獣』による被害が目に余って来たので全滅させた狼の群れをよみがえらせようと言う話。
日本オオカミ協会と言う団体が、かなり力を入れて、あちこちでシンポジウムを開いたり、本を出版したり活動しています。
3月21日はイエローストーンでガイドをしている人を招聘しての『狼との共生』と言う会を催します(残念ながら、チケットは完売だそうです)
確かに日本で野生動物による食害等々が増え、森林も荒れ、植生に問題が出ているので、イエローストーンの例にならって日本が再導入を考えるのもいいアイディアかもしれません。

2006年に、知床とイエローストーン国立公園による国際哺乳類学会議が札幌で開かれました。
狼導入により、イエローストーンの増えすぎたエルクが減り、それにより河畔林が回復して、川にはビーバーが増え、小鳥も戻って来たのです。
日本の荒廃しつつある森林を回復させるのにカリフォルニア大の教授は🐺再導入を勧めたそうです。しかし、当時の東京農工大の教授は、イエローストーンの公園管理に関わる人の人数(当時885人)に対し知床ではせいぜい75人しか確保出来ないので、現実的ではないと意見しています。知床財団も、日本本来の自然を回復するには🐺も必要だと認めつつ、立ち遅れている野生動物管理システムの改善が先決であり、それが実現して初めて再導入の土台が出来るのではないかと言っています。(資料:2006年5月 朝日新聞より)

🐺に対しては私も思い入れは確かにありますが、以上の意見はとても納得いくもので今、早急に『害獣』と呼ばれている野生動物の数を減らすために🐺を導入して、それが一時的に上手く行ったとしても、その後の🐺の数が増えた時にどうするか、家畜をどう守るかなど、話し合う課題は山盛りだと思います。
1度は『害獣』でもあった🐺たちです。動物たちは人間の『道具』ではないので、🐺の再導入に関しては、彼らの命を敬い、アイダホ州の二の舞にならないように、時間を十分に取って何年も先を見据えた綿密な計画をもって実行出来たら、それはそれで素晴らしいことになると思っているんですけどね。



2013年のこの日(2月19日)のサトリとペーハ







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